抗生剤(抗生物質)について
発熱・咳嗽・嘔吐・下痢などの原因はウイルスの感染によるものが多く(80〜90%)、細菌感染は一部です。
抗生剤は細菌による急性咽頭炎・扁桃炎などや細菌による胃腸炎が疑われる場合には有効で必要ですが、ウイルスよる急性上気道炎や急性下痢症には無効です。

発病初期から抗生剤が必須なケースは多くはありません。
一方では、腸内細菌叢のバランスをくずしたり、耐性菌出現のリスクもあります。

なお、3ヶ月未満の乳児の発熱、嘔吐の反復・顔色不良・視線が合わない・強い腹痛・呼吸困難・機嫌が著しく悪い、などの症状がみられるときにはウイルス・細菌問わず重症疾患(髄膜炎・肺炎・虫垂炎・敗血症など)の可能性もあるので早めに再受診してください。
発熱ってなんだろう?発熱、おそれず、あなどらず
―発熱と解熱剤・けいれん・入浴についてー

風邪やインフルエンザなどの感染症にかかると発熱をしばしばともないますが、発熱にはプラスとマイナスの両面があります。発熱の原因には感染症のほかに川崎病や白血病・若年性リュウマチなどまれな病気もありますがここでは感染症について解説します。

プラス 発熱は体の防御機構のひとつです。体温の上昇に伴いリンパ球などの免疫細胞の活動性は高まります。一方、体温が高くなると風邪のウイルスの増殖は弱まってきます。なお体温が40度あっても脳細胞が障害を受けることはありません(脳炎など脳の病気でけいれんや意識障害がある場合を除き)
マイナス 水分摂取の低下・不機嫌・不眠などにより体力が低下します。

発熱の原因は一般的な風邪のウイルスによるものが多く(80〜90%)、発熱=病気が重いことを意味しているわけではありません。一般的なウイルス感染の場合、早くお薬を飲んだから早く解熱するというものでもありません。抗生剤(抗生物質)は細菌感染が疑われる場合にはが有効ですが、風邪のウイルスには無効です。(発熱の初期から抗生剤が必須なケースは多くはありません)発熱の初期や発熱が続いていても、比較的全身状態がよいときには夜間でもあわてる必要はありません。

ただし、3ヶ月未満の乳児の発熱と発熱に、反復する嘔吐・けいれん・視線が合わない・強いぐったり感・呼吸が苦しそう・機嫌が著しく悪い、などの症状を伴っているときには重症疾患(髄膜炎・虫垂炎・肺炎など)のサインとして注意が必要です。

解熱剤:原因治療の薬ではないので、仮に体温が40度でも比較的元気で水分がとれ、寝てくれるようであれば不要です。一方、水分がまったくとれない、不機嫌で眠りが浅く、安静がとれない時など体力低下を防ぐためには解熱剤を使用してもよいと思います。日中は使わず経過を観察し、夜安眠のために使うのも一法です。原則、使用間隔は6時間はあけて下さい。なお頭痛・中耳炎など痛みがひどい場合には発熱の有無と関係なく鎮痛薬として使用してもよいです。

けいれん:高熱によるけいれんを心配されますが、発熱の上昇期に起こしやすいのは事実ですが、高熱だからけいれんを起こすわけではありません。残念ながら、解熱剤を使用してもけいれんのリスクを減らすことにはなりません。(熱性けいれんは100人に7〜8人程度の頻度です)

入浴:発熱時でも、食欲・元気があれば入浴により病気が重くなることはありません。(長湯はいけません)シャワーで汗を流し、陰部を洗う程度はいつでもかまいません。しかし、高熱で水分もとれず体力を消耗しているときにはひかえてください。暑がっていれば、濡れタオルで体を拭くのは気化熱による体温低下作用も見込め、さっぱりしてよいでしょう。

発熱だけでなく、それ以外の症状や状態も大事です。不明・不安な点は遠慮なくご相談ください。
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